抽象クラス（abstractクラス）とは？オブジェクト指向プログラミングの重要概念
抽象クラス（abstractクラス）とは、オブジェクト指向プログラミングにおいて非常に重要な概念の一つです。抽象クラスは、インスタンスを生成することができず、継承して使用することを前提としたものとなります。
抽象クラスの概要
抽象クラスとは、具体的な実装を持たないクラスのことを指します。具体的な実装とは、メソッドの内部で具体的な処理を行うことであり、抽象クラスは、そのメソッドの実装を継承するクラスに具体的な処理を任せるものとなります。
抽象クラスは、オブジェクト指向プログラミングにおいて、継承を使用することで、多態性を実現するために使用されます。多態性とは、同じメソッドでも、継承先のクラスによって処理内容が変化することを指します。
抽象クラスの特徴
抽象クラスは、以下のような特徴を持っています。
- 抽象クラスのインスタンス化ができない
- 抽象クラスの定義を継承して、具体的なクラスを作成することができる
- 抽象クラスには、抽象メソッドという未定義のメソッドを持つことができる
- 抽象メソッドは、メソッド名と引数のみを定義し、メソッドの実装を持たない
- 抽象メソッドは、継承した具体的なクラスでオーバーライドして実装する
抽象クラスの実装例
以下の例では、「Animal」という抽象クラスを定義しています。この「Animal」クラスには、抽象メソッドである「sound」というメソッドが定義されています。この「Animal」クラスは、具体的な実装を持たず、継承したクラスでオーバーライドして実装することが前提となっています。
“`
abstract class Animal{
// 抽象メソッドの定義
public abstract void sound();
}
class Cat extends Animal{
@Override
public void sound(){
System.out.println(“にゃー”);
}
}
class Dog extends Animal{
@Override
public void sound(){
System.out.println(“わんわん”);
}
}
“`
上記の例では、「Animal」という抽象クラスを定義し、その中に「sound」という抽象メソッドを定義しています。そして、その「Animal」クラスを継承して、具体的なクラスである「Cat」と「Dog」を作成しています。それぞれに「sound」メソッドをオーバーライドして、それぞれの動物の鳴き声を出力するように実装しています。
まとめ
抽象クラスは、オブジェクト指向プログラミングにおいて非常に重要な概念の一つです。抽象クラスを使用することで、継承を通じて多態性を実現することができます。具体的な実装を持たず、継承したクラスでオーバーライドして実装することを前提とするため、柔軟な実装が可能となります。