共通結合とは?
共通結合(Common Coupling)は、ソフトウェアエンジニアリングにおいて、モジュール間の結合度を測る指標のひとつです。具体的には、複数のモジュールが同じデータ、同じグローバル変数、同じファイルを共有しているかどうかで判断されます。
共通結合が高い場合、多くのモジュールが同じデータを参照しているため、変更が加わると影響が広く及び、保守性や可読性に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、共通結合を低く保つことは、ソフトウェアの品質を高める上で重要な指標となります。
ソフトウェアのモジュール化に関する指標
ソフトウェアのモジュール化は、大きなシステムを小さな部品(モジュール)に分割することで、開発や保守を容易にするための手法です。モジュール間の結合度を測ることで、モジュール化の良し悪しを判断する指標としては、共通結合のほかにも以下のようなものがあります。
- 制御結合(Control Coupling):モジュール間が制御関係を持っているかどうかで判断します。
- データ結合(Data Coupling):モジュール間がデータをやりとりしているかどうかで判断します。
- スタンプ結合(Stamp Coupling):モジュール間が同じデータ構造をやり取りしているかどうかで判断します。
- 内容結合(Content Coupling):モジュール間が同じデータを共有しており、それを直接参照しているかどうかで判断します。
これらの指標を活用することで、高品質なソフトウェアの開発が可能となります。
共通結合を低く保つための工夫
共通結合を低く保つためには、以下のような工夫が必要です。
- グローバル変数の使用を避ける
- パラメータの使用を適切に行う
- 関数呼び出しの数を減らす
- モジュール内の処理を細かく分割する
これらの工夫を行うことで、共通結合を低く保ち、高品質なソフトウェアの開発を実現することができます。