デッドロックとは?
デッドロックとは、複数のプロセスが同時にシステムのリソースを要求して、互いにそのリソースを解放しないために、プロセスが停止してしまう状態のことを言います。つまり、プロセスが互いを待ち合わせ状態になっており、どれも進めなくなってしまっている状態がデッドロックです。
デッドロックは、システム全体の性能を低下させるため、重要な問題です。特に、多数のプロセスが同時に動作し、複数の共有リソースが存在する場合には、デッドロックが発生する可能性が高くなります。
並行処理システムの基本概念
並行処理システムは、複数のプロセスが同時に動作して、共有リソースにアクセスすることができるシステムのことを指します。並行処理システムを構築するためには、次のような基本概念が必要になります。
- プロセス(Process):実行中のプログラムを指します。プロセスが生成されると、それぞれが独立したメモリ領域を持ち、互いに干渉しないようになります。
- スレッド(Thread):プロセスの中で動作する、さらに小さな単位です。同一のプロセス内のスレッドは、リソースを共有することができます。
- 排他制御(Exclusive Control):共有リソースを複数のプロセスが同時にアクセスすると、競合状態が発生します。排他制御を行うことで、リソースの競合を回避することができます。
- 同期(Synchronization):複数のプロセスが同じリソースにアクセスする場合、実行順序によっては正しい結果が得られない場合があります。同期を取ることで、プロセスの順序を制御し、正しい結果を得ることができます。
デッドロックの対策法
デッドロックを回避するためには、次のような対策法があります。
- 予防:デッドロックが発生しないように、システム全体の管理を行います。例えば、リソースの予約を行って、他のプロセスがそれを利用できないようにするなどの方法があります。
- 検出:デッドロックが発生した場合に、それを検出し、適切な対処を行います。検出する方法としては、リソース割り当てグラフなどがあります。
- 回復:デッドロックが発生した場合に、それを解消する処理を行います。例えば、一時的にプロセスを停止させ、リソースを解放するなどの方法があります。
以上が、デッドロックについての基本概念と対策法についての解説です。並行処理システムを構築する場合には、デッドロックを回避するために、上記のような手法を適用することが必要です。