GARPとは?
GARPとは、「Gratuitous ARP(グラチュイトスARP)」の略称で、ARP(Address Resolution Protocol)を利用したネットワーク通信において、IPアドレスに対するMACアドレスの変更、削除、追加などの情報を更新する仕組みです。
ARPは、IPアドレスを物理的なアドレス(MACアドレス)に変換するために使用されるプロトコルであり、通信のために必要なMACアドレスを自動的に取得することができます。しかし、ARPにはMACアドレスの変更情報を送信する機能がありません。このため、ARPを利用して、ネットワーク上の全ての端末に自動的にマルチキャストで情報を配信することができるようにしたのがGARPです。
Gratuitous ARPの仕組み
GARPは、ネットワーク上の全ての端末に対して、ARPリクエストを送信し、自身のIPアドレスに対応するMACアドレスを更新することができます。これによって、ネットワーク上の他の端末に自身のIPアドレスとMACアドレスの変更情報を伝えることができます。
GARPによる情報更新は、以下のような手順で行われます。
1. 変更された端末が、自身のIPアドレスに対応するMACアドレスを変更します。
2. 変更された端末は、自身のIPアドレスに対するARPリクエストを作成し、自身のMACアドレスを送信します。
3. ネットワーク上の全ての端末が、作成されたARPリクエストを受信します。
4. ARPリクエストを受信した各端末は、送信元のIPアドレスに対応するMACアドレスを更新します。
このようにして、GARPを利用することで、IPアドレスに対応するMACアドレスの変更情報を自動的にネットワーク上の全ての端末に伝えることができます。
Gratuitous ARPの利点
GARPの利点は、IPアドレスに対応するMACアドレスを自動更新することができる点です。これによって、ネットワーク上の各端末が、常に最新のMACアドレス情報を保持することができます。
また、GARPは、ネットワークトラブルの解決にも役立っています。例えば、IPアドレスが重複している場合には、GARPによってIPアドレスとMACアドレスの変更情報を送信することで、重複したIPアドレスを検出し、トラブルを解決することができます。
さらに、GARPは、負荷分散にも利用されます。同じIPアドレスを持つ複数の端末が存在する場合には、GARPを利用して、ネットワーク上のトラフィックを均等に分散することができます。
以上が、GARPの仕組みと利点についての解説です。GARPは、ネットワーク通信に欠かせない重要な技術の1つです。