疎結合とは?loose couplingの設計思想を解説
プログラミングにおいて「疎結合(loose coupling)」とは、異なるコンポーネント間の依存度を低く保つための設計思想のことを指します。つまり、システム内の各機能が独立し、単体で機能するように開発することで、柔軟性や拡張性を高め、システム全体の保守や管理を容易にすることを目的としています。
この設計思想に基づくシステムは、各機能が独立しているため、不具合が発生した場合でも、その機能のみを修正することができます。また、システムの構成変更を行う場合も、影響範囲が限られるため、保守性が高くなります。
疎結合を実現するためには、以下のような設計手法が用いられます。
インターフェースの定義
各機能が独立しているため、コンポーネント間の通信はインターフェースを介して行われます。このため、各機能で使用されるデータやメソッドの定義が重要になります。インターフェースの定義は、開発時のコンポーネントの依存関係を明確にすることができるため、重要な役割を持ちます。
DI(Dependency Injection)
DIは、依存関係の注入とも呼ばれ、疎結合を実現するための方法の一つです。各コンポーネントが必要とするオブジェクトを、外部から注入することで、コンポーネント間の依存関係を低く保ちます。
イベント駆動型プログラミング
イベント駆動型プログラミングは、疎結合を実現するために用いられる手法の一つです。イベント駆動型プログラミングでは、相手側が送信したイベントを受け取った側が、事前に定義された処理を実行する方式をとります。これにより、コンポーネント間の依存関係を低く保つことができます。
疎結合の設計思想は、システムの規模が大きくなるにつれて、必要不可欠なものとなっています。疎結合を意識した設計に基づいたシステムは、保守性や可読性、拡張性などが高く、今後ますます重要性を増していくでしょう。