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マルチパス・多重波伝播とは?無線通信技術の基本概念をわかりやすく解説してみました
マルチパス・多重波伝播とは?
マルチパス・多重波伝播とは、無線通信において発信した電波が、壁や建物、地形など障害物によって反射・回折され、複数の経路を通過して受信機まで届く現象のことです。
例えば、高層ビルの谷間や地下鉄のトンネル内など、直進性の高い電波が容易に通過できない場所では、マルチパス現象が起こります。この現象が発生すると、信号の強さが複数回にわたって変化するため、受信機は正確な波形を復元できずに通信エラーが発生することがあります。
マルチパス・多重波伝播の影響
マルチパス・多重波伝播が無線通信に与える影響は大きく、以下のような問題が起こることがあります。
– 通信エラー:前述の通り、信号の強さが複数回変化することで通信エラーが発生することがあります。これによって、通信の正確性や安定性が損なわれることがあります。
– 帯域幅の低下:マルチパス現象が起こると、受信機で受信される信号の周波数帯域が広がってしまい、帯域幅が低下することがあります。これによって、データの転送速度が低下することがあります。
– 伝送遅延:信号が複数の経路を通過するため、通信の遅延が発生することがあります。これによって、リアルタイム通信などの用途では不適切な場合があります。
マルチパス・多重波伝播対策
マルチパス・多重波伝播対策として、以下のような手段があります。
– 受信機の設置場所の変更:マルチパス現象が起こりにくい、建物や障害物の影響が少ない場所に受信機を設置することで、信号の品質を向上させることができます。
– 外部アンテナの取り付け:アンテナを専用の台座や建物の屋上に設置することで、障害物の影響を受けにくい、直進性の高い電波を受信できるようになります。
– 受信機の性能向上:マルチパス・多重波伝播に対応した高性能な受信機を使用すれば、通信エラーの発生率が低下することがあります。
まとめ
以上、マルチパス・多重波伝播について解説してきました。無線通信においては、障害物や地形の影響を受けやすいため、この現象について理解して対処することが重要です。適切な対策を行うことで、通信の正確性や安定性を確保することができます。