多重波伝播(マルチパス)とは?無線通信技術の基本概念を解説
多重波伝播とは?
多重波伝播とは、無線通信において、1つの信号が複数の経路を通って到達する現象を指します。これは、信号が建物や地形の影響を受けるため、反射や回折が発生することによって生じます。
多重波伝播の種類
多重波伝播には、反射波、回折波、散乱波の3つの種類があります。
- 反射波:信号が壁や建物に当たり、反射して送信元に戻る波
- 回折波:建物の隅や曲がり角を通り抜ける波
- 散乱波:建物の表面で乱反射して、複数の波が発生する波
これらの波が複数の経路を通って到達することで、多重波伝播が生じます。
多重波伝播の影響
多重波伝播は、信号の受信品質に悪影響を与えることがあります。複数の波が同時に到達すると、波が干渉するために位相がずれることがあり、波の合成結果として雑音やフェージングフェードが生じることがあります。
まとめ
多重波伝播は、無線通信において重要な基本概念の1つです。反射波、回折波、散乱波の3種類があること、複数の経路を通って到達することで、受信品質に悪影響を与えることがあることを理解することが大切です。