SCTPとは？
SCTP（Stream Control Transmission Protocol）は、IPネットワーク上で信頼性の高い接続指向型通信を可能にするプロトコルです。TCPと同様に、SCTPもデータの信頼性を確保するためにフロー制御、輻輳制御、再送制御を提供します。また、マルチホームネットワークに対応しており、冗長性の高い通信が可能です。
SCTPの特徴
SCTPは、TCPとUDPの長所を合わせ持ったプロトコルとされています。その特徴としては以下のようなものが挙げられます。
- 信頼性が高い：SCTPは、データの転送においてフロー制御や再送制御を行うため、データの正確性を確保できます。
- 輻輳制御機能：SCTPには、輻輳制御機能が備わっているため、通信回線が混雑している場合でも、データの確実な転送を実現できます。
- マルチホームネットワークに対応：SCTPは、複数のネットワークインターフェースを持つシステムで利用することができます。この機能により、ネットワークの冗長性を高めることができます。
- ストリーム指向プロトコル：SCTPは、ストリーム指向プロトコルであるため、TCPと同様に複数のメッセージを統合して送信することができます。
SCTPの利用
SCTPは、主にVoIPやモバイル通信など、リアルタイム性の高い通信に利用されています。また、TCPやUDPでは不足していた機能を備えているため、信頼性の高い通信環境を必要とするアプリケーションでも利用されています。例えば、WebRTC（Web Real-Time Communications）技術などに使用されています。
まとめ
SCTPは、TCPとUDPの両方の機能を備えたプロトコルであり、高い信頼性・輻輳制御・再送制御機能などを提供します。特に、リアルタイム性の高い通信や冗長性の高いネットワーク構成が必要とされる場合には、SCTPが有効な選択肢となります。