「採算点 (BEP)」とは? – 収益と費用が等しくなる点について解説
ビジネスを展開する上で、収益や費用を正確に把握することは非常に重要です。しかし、単に収益や費用の合計金額を知るだけでは、事業が利益を出しているのか、損失を被っているのかを判断することはできません。
そこで、ビジネスの収支を把握するために「採算点 (BEP)」という指標が用いられます。では、この「採算点」とは具体的に何なのでしょうか?
採算点とは?
採算点とは、収益と費用が等しくなる点のことを指します。つまり、ある商品やサービスを販売する際にかかる費用と、その商品やサービスから得られる収益が同じになる点を指します。
例えば、ある店舗で手作りの洋菓子を販売する場合を考えてみましょう。この場合、材料費や人件費、家賃などの費用が掛かります。一方で、その洋菓子を販売した場合に得られる収益があります。この収益が費用を上回った場合、利益が出ます。逆に、収益が費用を下回った場合、損失を被ります。
この時、費用と収益が等しくなる点が「採算点」となります。つまり、この点を超えるまでに販売する数量が「採算点以下」となり、それを超えた数量が「採算点を超える数量」となります。
採算点の計算方法
採算点は、以下の式で計算することができます。
採算点 = 固定費 ÷ (1 – (変動費 ÷ 総販売額))
固定費とは、一定期間内に必ず発生する費用のことで、人件費や家賃などが該当します。一方で、変動費とは、販売数量に応じて変動する費用のことで、材料費や手数料などが該当します。
例えば、ある店舗の固定費が月額10万円、変動費が販売総額の20%である場合には、採算点は以下のように計算されます。
採算点 = 10万円 ÷ (1 – (0.2)) = 12.5万円
つまり、この場合、月に12.5万円以上の商品を販売することで、採算点を超えることができます。
採算点の意義
採算点を把握することで、ビジネスの収支を正確に把握することができます。ある商品やサービスの販売に必要な採算点を知ることで、その数量以下の販売にとどめる場合は損失を被らず、逆に採算点を超える数量を販売することで利益を最大化することができます。
また、採算点を把握することで、販売価格を設定する上でも有用です。採算点を超えるような価格設定をすることで、無理な値引きを行わずに利益を確保することができます。
まとめ
ビジネスを展開する上で、採算点は重要な指標のひとつです。採算点を正確に把握することで、ビジネスの収支を把握することができ、利益を最大化することができます。また、採算点は販売価格設定にも有用な指標であるため、ビジネス戦略の構築にも役立ちます。