垂直統合とは？ – 経済用語の解説
垂直統合とは
垂直統合（すいちょくとうごう）は、企業が同じ業界の異なる段階での事業を一気通貫で行うことを指します。例えば、輸出入業者が自社で製造を行い、流通業者が自社で小売業も行うように各業界で垂直統合を進めています。
垂直統合のメリット
垂直統合には様々なメリットがあります。まず、企業が自社でそれまで外注していた業務を自社内で行うことによって、コスト削減が可能です。また、品質管理がしやすくなることにより製品の品質向上が期待できます。さらに、市場の変化に迅速に対応できるようになるため、競争力が高まります。
垂直統合のデメリット
一方で、垂直統合にはデメリットも存在します。まず、自社内での業務を担当する社員のスキルの幅が狭くなり、他業務に対応しにくくなることがあります。また、自社で全ての業務を行うため、リスクが集中するためにリスクマネジメントの強化が必要になります。さらに、市場環境の変化により、一部の業務が不要になった場合に業績悪化のリスクがあります。
垂直統合の事例
日本でも多くの企業が垂直統合を進めています。例えば、トヨタ自動車が自社で部品の製造から車両まで一気通貫で行う「トヨタ生産方式」を採用しています。また、鉄鋼メーカーの日本製鉄は、鉄鉱石の採掘から鋼材の製造・販売までを一貫して行っています。
まとめ
垂直統合は、業務の一貫性を確保することでコスト削減や品質向上、リスク低減、競争力強化など多くのメリットがあります。ただし、自社内で全ての業務を行うことによるデメリットも存在するため、リスクマネジメントをしっかりと行いつつ、垂直統合を進めていく必要があります。