命令セットAVX2の特徴とプロセッサ性能の向上を紹介と解説

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AVX2命令セットとは?

AVX2命令セット(Advanced Vector Extensions 2)は、Intelが開発したSIMD命令セットの一種です。SIMDとは、Single Instruction Multiple Dataの略で、複数のデータを同時に処理する命令セットです。AVX2命令セットは、AVX命令セットの拡張版で、256ビットのSIMD演算を実行することができます。これにより、同時に8つの倍精度浮動小数点演算や16つの単精度浮動小数点演算を行うことができ、処理速度が大幅に向上します。

AVX2命令セットによるプロセッサ性能の向上

AVX2命令セットをサポートしたプロセッサにおいては、同じクロック周波数であっても、演算能力が向上します。これは、AVX2命令セットによってSIMD演算が効率的に行われるためです。例えば、Intel Core i7 4770KというCPUにおいて、AVX2命令セットをサポートすることで、倍精度浮動小数点演算が1つあたり4サイクル、単精度浮動小数点演算が1つあたり2サイクルで処理されます。一方で、AVX2命令セット非対応の場合、倍精度浮動小数点演算が1つあたり5サイクル、単精度浮動小数点演算が1つあたり3サイクルで処理されます。つまり、同じ演算を行う場合でも、AVX2命令セットによって処理時間が短縮されるため、プロセッサ性能が向上します。

AVX2命令セットの特徴

AVX2命令セットにはいくつかの特徴があります。

– Fused Multiply Add(FMA)命令のサポート
FMA命令は、浮動小数点数を同時に乗算し加算する命令です。これにより、浮動小数点演算の処理速度が向上します。

– Integer Vector Permute命令のサポート
この命令は、ベクトルの任意の位置にあるデータを、別の位置に移動することができます。これにより、ベクトルデータを効率的に処理することができます。

– Gather/Scatter命令のサポート
これらの命令は、メモリからデータをまとめて読み取ったり、まとめて書き込んだりすることができます。これにより、メモリアクセスの効率が向上します。

以上が、AVX2命令セットの特徴です。AVX2命令セットを利用することで、浮動小数点演算やベクトルデータ処理が高速化され、プロセッサ性能が向上します。

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