レインボー攻撃とは?
レインボー攻撃とは、ハッシュ関数に対する総当たり攻撃の一種です。ハッシュ関数は、任意の長さのデータを固定長のデータに変換する関数で、パスワードの保存やデータの整合性確認によく使われます。しかし、ハッシュ値から元のデータを再現することはできないため、ハッシュ値が漏洩しても元のパスワードを知ることはできません。
そこで、レインボー攻撃は、ハッシュ値を解読するために、あらかじめ多数のパスワードをハッシュ化しておき、そのハッシュ値と漏洩したハッシュ値を比較することで解読を試みる攻撃方法です。
レインボーテーブルの基本概念
レインボー攻撃を行うためには、あらかじめ構築された特殊なテーブル「レインボーテーブル」が必要です。レインボーテーブルは、一連の中間ハッシュ値をキーにして、最終的なハッシュ値を値とする表で、攻撃者がハッシュ値を総当たりで照合することで、元のパスワードを解読することができます。
レインボーテーブルは、一見すると単なる辞書のようなものですが、ハッシュ値の衝突によってハッシュ値同士が繋がることで、膨大なパスワードを効率的に総当たりすることができます。
対策方法
レインボー攻撃に対する基本的な対策は、強力なパスワードポリシーを適用し、パスワードを複雑化することです。しかし、これだけでは完全に対策することはできません。そのため、以下のような対策が考えられています。
– ソルトを用いたハッシュ化:同じパスワードでも、異なるランダムなソルトを用いることで、ハッシュ値が予想できなくなります。
– ストレッチング:ハッシュ化の回数を増やすことで、攻撃者の総当たり攻撃を遅らせます。
– ハッシュアルゴリズムの変更:より強力なハッシュアルゴリズムを採用することで、レインボー攻撃に必要な計算量を膨大にすることができます。
以上の対策を複合的に取り入れることで、レインボー攻撃からデータを守ることができます。しかし、新たな攻撃方法が発見される可能性もあるため、常にセキュリティについて注意を払う必要があります。
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