CGNとは?インターネットサービスプロバイダー向けのNAT技術
インターネットサービスプロバイダー(ISP)は、多数のユーザーにインターネット接続を提供するために、公開IPアドレスを割り当てることができます。しかし、公開IPアドレスは限られており、IPv4のアドレス枯渇問題が顕在化しています。
CGN(キャリアグレードNAT)は、ISPがIPv4アドレス枯渇問題に対処するために採用された技術の一つです。CGNによって、ISPは複数のユーザーを1つの公開IPアドレスに割り当てることができます。この技術によって、ISPはより多くのユーザーにIPv4アドレスを提供することができます。
CGNの仕組み
CGNは、ISPが管理するルーター内部に構築されたNAT(Network Address Translation)の一種です。ISPが使用するCGNルーターは、顧客から受け取ったプライベートIPアドレスを公開IPアドレスに変換し、インターネットに接続することができます。
CGNでは、複数のユーザーが同じ公開IPアドレスを共有するため、セキュリティ上の懸念があります。例えば、一つのユーザーが不正な行為をすると、他のユーザーにも影響を及ぼす可能性があります。このため、ISPはCGNルーター内にパケットフィルタリング機能を実装し、不正なトラフィックを検出して遮断することができます。
CGNのメリット
CGNの最大のメリットは、IPv4アドレス枯渇問題に対処できることです。公開IPアドレスを割り当てることができない状況でも、多数の顧客にインターネット接続を提供することができます。
また、ISPはCGNによって、顧客のネットワークを保護することができます。CGNは、複数の顧客が同じ公開IPアドレスを共有することによって、ネットワーク上の不正侵入や攻撃を防ぐことができます。
CGNのデメリット
CGNには、いくつかの問題点があります。
まず、CGNを利用することで、インターネット接続の速度が低下することがあります。これは、複数のユーザーが同じ公開IPアドレスを共有することによって、トラフィックコンジェスションが発生するからです。
また、CGNでは、複数のユーザーが同じ公開IPアドレスを共有するため、特定のポートに対する接続が制限されることがあります。これは、ISPがパケットフィルタリング機能を実装しているためです。
まとめ
CGNは、ISPがIPv4アドレス枯渇問題に対処するために採用された技術です。CGNによって、ISPは多数のユーザーにインターネット接続を提供することができます。しかし、CGNには、インターネット接続の速度が低下することや、特定のポートに対する接続が制限されることなどの問題点があります。
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