CORS (オリジン間リソース共有)とは?異なるオリジン間でデータのやり取りを可能にする仕組み
ウェブ開発を行っていると、クロスドメインでのリクエストを送信する必要がある場合があります。しかし、ウェブのセキュリティ上の理由から、異なるオリジン間でのリソース共有はデフォルトで制限されています。ここで注目すべきなのが、CORS (Cross-Origin Resource Sharing)という仕組みです。
CORSの仕組み
CORSは、異なるオリジンのウェブページ間でデータのやり取りを可能にする仕組みです。これにより、ウェブ開発者は異なるオリジンに対してリクエストを送信し、レスポンスを受け取ることができます。
CORSの仕組みはシンプルです。まず、リクエストヘッダーに「Origin」という情報を含め、サーバー側でその情報をチェックします。サーバー側で設定した条件を満たす場合、レスポンスヘッダーに「Access-Control-Allow-Origin」という情報を含めて、リクエスト元のオリジンがレスポンスを受け取れるようにします。
CORSの設定方法
CORSの設定方法は、サーバーサイドとクライアントサイドの両方で行う必要があります。
サーバーサイドの場合、レスポンスヘッダーに「Access-Control-Allow-Origin」を設定することで、異なるオリジンからのリクエストに対応することができます。この設定は、HTTPサーバーの設定ファイルで行うことができます。
一方、クライアントサイドの場合、XMLHttpRequestオブジェクトを使用してリクエストを送信する際に、リクエストヘッダーに「Origin」を含める必要があります。これにより、サーバー側でCORSの設定が正しく行われている場合、レスポンスを受け取ることができます。
CORSのセキュリティリスク
CORSは、異なるオリジン間でのデータのやり取りを可能にするため、セキュリティ上のリスクも存在します。このリスクを軽減するために、CORSでは以下のような制限が設けられています。
- リクエストヘッダーに含まれる情報は、サーバー側で検証する必要がある。
- サーバー側がレスポンスヘッダーに含める情報は、必要最小限にする。
- クレデンシャル情報 (Cookie、認証トークンなど) が必要な場合は、Access-Control-Allow-Credentials レスポンスヘッダーに true を含めることで明示的に許可する必要がある。
以上のように、CORSは異なるオリジン間でのデータのやり取りを可能にするため、ウェブ開発者にとって欠かせない技術となっています。しかし、セキュリティ上のリスクも存在するため、正しい設定を行うことが重要です。
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