正孔とは?半導体物理学における正孔について解説する。

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正孔とは?

正孔とは、半導体物理学において重要な役割を果たす電荷担体の一つです。半導体中に存在する価電子帯から伝導帯に電子が移ると、価電子帯には電子不足(空孔)が生じます。この空孔が正孔と呼ばれるものであり、電荷を持つ粒子として振る舞います。半導体材料の電気伝導特性に重要な影響を与えるため、正孔は半導体デバイスの設計や動作原理を理解する上で欠かせない概念です。

正孔の性質

正孔は、電荷がプラス(正)であることを特徴としています。これは、価電子帯に存在する電子が伝導帯に移動することによって、正孔が生じるためです。また、正孔は電子と同様に拡散、ドリフト、再結合といった現象によって移動します。ただし、電子が負の電荷を持つことと異なり、正孔は正電荷を持つため、移動方向は電子とは逆向きとなります。

正孔の利用

半導体デバイスにおいては、正孔はポジティブ型半導体(p型半導体)の形成に利用されます。p型半導体は、不純物として三価または五価の原子を添加することで、価電子帯に正孔を多数生成することができます。このようにして生成されたp型半導体と、n型半導体(電子が多数存在する半導体)を接合したp-n接合ダイオードなどのデバイスは、現代の電子機器に欠かせない部品となっています。

まとめ

正孔は、半導体物理学において重要な役割を持つ電荷担体です。価電子帯から伝導帯に電子が移る際に生じる空孔が正孔と呼ばれ、半導体デバイスの動作原理を理解する上で欠かせない概念です。正孔は、ポジティブ型半導体の形成に利用されるほか、p-n接合ダイオードなどのデバイスにも利用されています。

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