適応的差分パルス符号変調(ADPCM)とは?音声圧縮技術の基本概念をわかりやすく解説

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適応的差分パルス符号変調(ADPCM)とは?音声圧縮技術の基本概念をわかりやすく解説

はじめに

音声は、デジタルデータに変換される前に、アナログ信号として存在しています。アナログ信号とは、波形の形が連続的に変化する信号のことです。例えば、人間の声は、空気の振動として発せられ、マイクロフォンによって収集されます。このとき、マイクロフォンから出力される信号は、アナログ信号として扱われます。

一方、デジタルシステムでは、信号を離散化する必要があります。つまり、時間軸方向や振幅方向、周波数方向など、信号のあらゆる側面を離散的な数値データに変換する必要があります。このようにして得られたデジタルデータを、通信や記録媒体などで扱うことができます。

音声圧縮技術の必要性

デジタルデータ化された音声を扱う場合、大量のデータを処理する必要があります。例えば、CD音質の音声を扱う場合、1秒間に176,400サンプルを取得する必要があります。一方、携帯電話やインターネット回線など、帯域幅の制約がある場合には、このような大量のデータを扱うことができません。

そこで、音声圧縮技術が必要となります。音声圧縮技術は、音声データを圧縮して、データ量を削減することで、帯域幅の制約を回避するために使われます。音声圧縮技術には、様々な種類がありますが、本記事では「適応的差分パルス符号変調(ADPCM)」について解説します。

適応的差分パルス符号変調(ADPCM)とは?

適応的差分パルス符号変調(ADPCM)は、音声圧縮技術の一種で、線形量子化による圧縮を行う方法です。線形量子化とは、信号の振幅をある程度の精度で丸め込むことで、データ量を削減する方法です。

ADPCMでは、音声信号を「差分パルス符号変調(DPCM)」という技術で圧縮します。DPCMとは、音声信号の隣り合うサンプル間の差分を取り出し、その差分を量子化することで、データ量を削減する方法です。

しかし、DPCMは、量子化誤差が蓄積されることで、信号の質が劣化しやすいという欠点があります。そこで、ADPCMでは、量子化誤差を修正するために、量子化誤差を最小にするように、量子化幅を自動的に変化させる機能を加えます。これにより、DPCMよりも高い圧縮率を実現しながら、音質が劣化することを抑えることができます。

まとめ

今回は、適応的差分パルス符号変調(ADPCM)について解説しました。ADPCMは、音声圧縮技術の一種であり、量子化誤差を最小限に抑えながら高い圧縮率を実現することができます。音声圧縮技術については、様々な種類がありますが、今後も進化し続け、より高品質な音声の伝送に役立つことが期待されます。

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