キャリアグレードNATとは?IPv4アドレス不足問題の解決策とは

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キャリアグレードNATとは?IPv4アドレス不足問題の解決策とは

IPv4アドレス不足問題とは

まず、IPv4アドレス不足問題について説明します。IPv4は32ビットのアドレスを持ち、それにより4,294,967,296(約43億)台のデバイスにアドレスを割り当てることができます。しかし、現在のインターネット利用台数はIPv4アドレスを超えています。

この問題を解決するためにIPv6が開発されましたが、IPv4とIPv6は互換性がなく、古い機器やプロトコルに対応していないデバイスが多数存在するため、IPv4アドレスの枯渇は深刻な問題となっています。

キャリアグレードNATとは

IPv4アドレス不足を解決する方法の1つが、キャリアグレードNAT(CGN)です。CGNは、ISPが複数の顧客に同じグローバルIPv4アドレスを割り当て、内部ネットワークのデバイスにはプライベートIPv4アドレスを使用することで、IPv4アドレスの枯渇問題を解決する技術です。

CGNでは、内部ネットワークのデバイスからインターネットにアクセスする際、ISPが割り当てたグローバルIPv4アドレスとポート番号を使用してアクセスします。また、インターネットから内部ネットワークのデバイスにアクセスする際は、ISPが割り当てたグローバルIPv4アドレスとポート番号を調べ、対象のプライベートIPv4アドレスに転送します。

CGNの問題点

一方で、CGNにはいくつかの問題点が存在します。まず、複数の顧客が同じグローバルIPv4アドレスを使用するため、ポート番号の競合が発生し、一部のサーバーやP2P通信が正常に動作しなくなる場合があります。

また、CGNの導入により、機器やアプリケーションによっては正常に動作しなくなる場合があります。例えば、IPアドレスをハードコードしたアプリケーションや、IPv6に対応していない機器などです。

まとめ

キャリアグレードNATは、IPv4アドレス不足問題に対する一つの解決策であり、多くのISPが導入しています。しかし、ポート番号競合や機器・アプリケーションの対応性の問題点が存在するため、IPv6への移行が求められています。

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