EMCとは? – 電磁両立性の基本概念と応用

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EMCとは? – 電磁両立性の基本概念と応用

EMCとは、Electromagnetic Compatibilityの略称で、電磁両立性と訳されます。電気・電子機器が、周囲の電磁波から影響を受けず、かつ周囲の機器にも影響を与えないような状態を実現することが目的です。つまり、機器同士の相互干渉を抑制することにより、正常な動作を維持することが目的です。

EMCは、特に高周波・マイクロ波帯において重要となります。これらの周波数帯では、電磁波がフリースペース(空気中)を伝搬するため、機器同士の相互干渉が起こりやすくなります。EMCに関する基本概念は、電子機器の設計・開発に欠かせないものとなっています。

EMCの必要性

なぜ、EMCが必要なのでしょうか?それは、現代の社会において、電気・電子機器があふれているからです。携帯電話やスマートフォン、パソコン、テレビ、医療機器、自動車など、私たちの生活に欠かせない機器たちは、全て電磁波を発生しています。そのため、周囲の機器に影響を与えることがあり、相互干渉が発生することがあります。

例えば、病院で医療機器が動作しなくなったり、パソコンにノイズが入って正常に動作しなくなったり、自動車でラジオが受信できなくなったりすることがあります。これらの問題を解決するために、EMCが必要です。

EMCの応用

EMCは、電気・電子機器の設計・開発に欠かせないものとなっています。具体的には、以下のような応用があります。

  • 回路設計において、各部品の電気的特性を考慮した設計を行うこと
  • 基板設計において、信号線の配線ルートを最適化し、電磁波の干渉を最小限に抑えること
  • 電源回路の設計において、電源ノイズを最小化すること
  • 外部からの電磁波の影響を受けにくい筐体設計を行うこと

また、製品の試験・認定においても、EMCは重要となります。製品に対し、各種試験を行い、EMCに準拠しているかどうかを評価します。EMCに準拠していない製品は、市場に出回ることができません。

まとめ

EMCは、電磁波の干渉が問題となる高周波・マイクロ波帯において、機器同士の相互干渉を抑制することが目的です。現代の社会において、様々な機器があふれているため、EMCは欠かせないものとなっています。設計・開発においても、製品の試験・認定においても、EMCが重要であることは言うまでもありません。

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