パイプラインハザードとは?CPU処理速度の限界を解明する基本概念を解説

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パイプラインハザードとは?

パイプラインハザードは、CPU(中央処理装置)のパイプライン処理における問題のことを指します。CPUが実行する命令は、フェッチ→デコード→実行→メモリアクセスという一連のステップで処理されます。この一連のステップをパイプライン処理と呼びます。しかし、命令同士には依存関係があるため、前の命令の処理が終わる前に次の命令が入ってくると、処理がうまく進まなくなります。この状態をパイプラインハザードと呼びます。

CPU処理速度の限界を解明する基本概念を解説

CPUの処理速度は、クロック周波数によって決まります。クロック周波数とは、CPUが1秒間に何回クロック信号を発生させるかを表すもので、一般的にはGHz単位で表されます。しかし、クロック周波数を上げても、命令を処理するパイプラインの長さが長くなり、パイプラインハザードが発生する確率が高くなってしまいます。また、クロック周波数を上げると、CPUの消費電力が増大するため、冷却が必要となります。

そこで、最近ではクロック周波数を上げるのではなく、複数のコアを搭載するマルチコアCPUが普及しています。これにより、複数の命令を同時に処理できるため、パイプラインハザードが発生する確率が低下し、処理速度が向上します。

パイプラインハザードを回避する方法

パイプラインハザードを回避するためには、以下のような方法があります。

1. パイプラインのステージ間で依存関係がある命令を連続して実行しないように、命令のスケジューリングを行う。
2. 命令の実行順序を変更することで、依存関係を回避する。
3. 空いているステージに、依存関係のない別の命令を挿入する。

しかし、これらの方法はどれも完全な回避策ではなく、性能劣化を招く場合があります。そのため、マルチコアCPUを使うなど、様々な手段が考えられています。

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