ポリシーベースルーティング(PBR)とは?ネットワーク制御の基本概念をわかりやすく解説
はじめに
ネットワーク制御は、ネットワークの安定性やセキュリティに欠かせない要素です。その中でもポリシーベースルーティング(PBR)は、特定の条件を満たすパケットを特定のルートに誘導するための制御手法です。本記事では、PBRの概要や使い方、注意点についてわかりやすく解説します。
PBRとは?
PBRは、パケットを目的に合わせて制御するルーティング方法です。一般的には、ルーティングテーブルに従ってパケットを転送するのがルーティングの基本ですが、PBRを使うことで特定の条件に合わせてパケットを誘導することができます。
この制御は、宛先IPアドレス、送信元IPアドレス、トランスポート層のプロトコル(UDP、TCP、ICMP)、ポート番号などを条件として設定できます。たとえば、特定のIPアドレスから送信されたパケットは、特定のルートで転送する、といった具合です。
PBRの使い方
PBRを使うには、ルーターにおいてPBRがサポートされている必要があります。Ciscoルーターならば、以下のように設定することができます。
“`
access-list 100 permit ip 192.168.1.0 0.0.0.255 192.168.2.0 0.0.0.255
route-map PBR permit 10
match ip address 100
set ip next-hop 192.168.2.254
interface fa0/0
ip policy route-map PBR
“`
この場合、アクセスリスト100で特定のネットワーク(192.168.1.0/24)から宛先ネットワーク(192.168.2.0/24)への通信を許可し、PBRによって次のホップを192.168.2.254に設定するという設定です。そして、インターフェイスfa0/0に対してPBRを適用します。
PBRの注意点
PBRを使うことで、パフォーマンスが低下する恐れがあります。また、設定が複雑になるため、管理が煩雑になることもあります。必要最低限の使用に留め、設定時には慎重に行うようにしましょう。
まとめ
PBRは、特定の条件に合わせてパケットを誘導することができるルーティング手法です。Ciscoルーターをはじめとした一部のルーターでサポートされています。ただし、パフォーマンス低下や管理の煩雑に注意し、必要最低限の使用に留めましょう。
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