「再配置可能 (リロケータブル)」とは? – プログラムが実行する際に、メモリ上のアドレスが変更されることが可能な状態のことを示す用語について解説

Explanation of IT Terms

再配置可能とは?

再配置可能 (リロケータブル) とは、プログラムが実行される際に、メモリ上のアドレスが変更されることが可能な状態を示す用語です。一般的に、コンピューターのプログラムはメモリ上に配置されるため、プログラムが実行される前に、それぞれのオブジェクトがメモリ上でどこに配置されるかを示すアドレスが割り当てられます。再配置可能とは、このアドレスが変更可能であることを示しています。

再配置可能という用語は、主にオペレーティングシステムやコンパイラなどプログラム開発に関する分野で使われます。再配置可能なプログラムは、実行時にメモリの断片化を防ぎ、実行時に動的にメモリの割り当てを行うことができます。また、再配置可能なプログラムは複数のプロセス共有ライブラリなどに組み込まれやすく、プログラムの再利用性を高めることができます。

再配置可能の仕組み

再配置可能にするためには、コンパイラがオブジェクトファイルを出力する際に、アドレスの変更可能性を考慮して出力する必要があります。例えば、プログラム中のある変数がどこに配置されるかを示すアドレスが 0x1000 であり、実行時に別のアドレスに変更される必要がある場合、コンパイラは実行時にアドレスを変更する処理を埋め込む必要があります。

また、オペレーティングシステムも再配置可能なプログラムの実行を可能にするために、動的リンクライブラリなどを提供しています。これは、プログラムに必要なライブラリが実行時に動的にメモリにロードされる仕組みで、再配置可能なプログラムに必要なシンボル解決を行うことができます。

再配置可能のメリット

再配置可能なプログラムは、次のようなメリットを持ちます。

  • メモリの効率的な利用: プログラムの実行中に必要なメモリの量が変化する場合でも、メモリの断片化を防ぐことができます。
  • 再利用性の向上: 再配置可能なライブラリ等を使用することで、同じ機能を実現する部分を何度も実装する必要がなくなります。
  • 共有ライブラリの使用: 複数のプログラムで同じライブラリを使用することができます。

まとめ

再配置可能 (リロケータブル) とは、実行時にメモリ上のアドレスが変更されることが可能な状態を示す用語です。コンパイラやオペレーティングシステムによって、再配置可能なプログラムを実現することができます。再配置可能なプログラムは、メモリの効率的な利用、再利用性の向上、共有ライブラリの使用などのメリットを持ちます。

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