丸め誤差 (round-off error) とは?数値計算の基本概念と対処法を解説

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丸め誤差とは?

丸め誤差とは、計算機が浮動小数点数を扱う際に生じる誤差のことです。浮動小数点数は、CPUが扱えるビット数に制限があるため、必要な桁数を切り捨てたり、四捨五入したりして表現されます。このとき、元々の値と表現された値との間に誤差が生じてしまいます。

丸め誤差の対処法

丸め誤差を避けることはできませんが、正確な値を求めるためにいくつかの対処法があります。

1. 処理順序の工夫

丸め誤差は、四則演算などの処理順序によって変化することがあります。そのため、処理の順序を工夫することで誤差を減らすことができます。例えば、桁落ちや情報落ちを避けるために、大きな数同士の加減算は、小さな数同士の加減算よりも後に行うようにするとよいでしょう。

2. 精度の高い演算方法の使用

丸め誤差を減らすためには、精度の高い演算方法を使用することが重要です。例えば、数値計算ライブラリを利用することで、高精度な計算が可能になります。また、行列計算などの高度な演算を行う場合は、LAPACKやBLASなどの高速で高精度なライブラリを利用することも有効です。

3. 出力時の丸め処理の工夫

丸め誤差は、出力時に再度丸められることで、大きく拡大されることがあります。そのため、出力時の丸め処理にも注意が必要です。例えば、適切な桁数で丸めることで、誤差を最小限に抑えることができます。

まとめ

丸め誤差は、計算機が浮動小数点数を扱う際に生じる誤差であり、計算精度に大きな影響を与えます。しかし、適切な処理順序の工夫や、高精度な演算方法の使用、出力時の丸め処理の工夫などによって、誤差を最小限に抑えることができます。プログラマーや科学技術者として、丸め誤差の理解と対処法について深く学ぶことが重要です。

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