静的とは？プログラミングにおける静的な概念について解説する
プログラミングにおいて、静的(static)という用語はよく使われます。静的な変数、静的なメソッド、静的なクラスなど、いろいろなところで使われますが、これらの「静的」とは一体何を意味するのでしょうか？
「静的」とは何か？
「静的」とは、動的(dynamic)と対比される概念です。静的なものは、コンパイル時に決定され、実行時には変化しません。対して、動的なものは、実行時に動的に変化します。
具体的に言うと、静的な変数は宣言時に初期値が決まり、その値がプログラムが終了するまで変わらないことを意味します。一方、動的な変数は実行時に値が決まり、実行中に変更されることがあります。
静的な変数
静的な変数は、一つの値をグローバルに共有する場合に使われます。例えば、以下のような場合に使われます。
“`c++
#include
void increment() {
static int count = 0; // 初期値は0、初回呼び出し時に一度だけ初期化される
count++;
std::cout << count << std::endl;
} int main() {
increment();
increment();
increment();
return 0;
}
``` このプログラムは、increment()関数を3回呼び出し、呼び出すたびにcountをインクリメントしています。しかし、countは静的な変数であるため、実行中に初期化されません。そのため、increment()関数を呼び出すたびに、前回の呼び出し時のcountの値を保持したまま、インクリメントが行われます。
静的なメソッド
静的なメソッドは、あるクラスに属しているが、そのクラスのインスタンスを生成しなくても、直接呼び出すことができるメソッドです。例えば、以下のようなクラスがあるとします。
“`java
public class MyClass {
public static void myStaticMethod() {
System.out.println(“This is a static method.”);
}
public void myNonStaticMethod() {
System.out.println(“This is a non-static method.”);
}
}
“`
このクラスの静的メソッドmyStaticMethod()は、MyClassのインスタンスを生成しなくても、以下のように呼び出すことができます。
“`java
MyClass.myStaticMethod();
“`
一方、非静的メソッドmyNonStaticMethod()は、MyClassのインスタンスを生成しないと呼び出すことができません。
静的なクラス
静的なクラスとは、インスタンスを生成することができず、静的メソッドしか持たないクラスのことを言います。静的なクラスは、ユーティリティクラスや設定ファイルをまとめたクラスとして使われることがあります。
以下は、静的なクラスの例です。
“`c#
public static class MyStaticClass {
public static void myStaticMethod() {
Console.WriteLine(“This is a static method.”);
}
}
“`
MyStaticClassは静的なクラスであるため、インスタンスを生成することができません。また、静的メソッドmyStaticMethod()しか持たないため、このクラスを使う場合は、以下のように呼び出します。
“`c#
MyStaticClass.myStaticMethod();
“`
まとめ
「静的」とは、動的と対比される概念であり、コンパイル時に決まり、実行時に変化しないことを指します。静的な変数や静的なメソッド、静的なクラスは、実行時に決まる動的な変数やメソッドやクラスとは異なる特徴を持ちます。プログラミングにおいて、「静的」という用語を正しく理解することは、より良いプログラムを書くために不可欠です。
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