スタティックリンク(静的リンク)とは? – プログラミング用語

Explanation of IT Terms

スタティックリンクとは?

スタティックリンク(静的リンク)は、プログラミングで使用される用語の1つで、コンピュータプログラムの実行時に必要な関数やデータを、実行ファイルに最初から組み込んでおく方法を指します。これにより、プログラムの実行時に追加のファイルの読み込みを行わずに済むため、実行速度を向上させることができます。

モジュール間での参照関係を確立するために使用されるリンカーと呼ばれるプログラムが、スタティックリンクを実現するために使用されます。リンカーは、コンパイラが生成したオブジェクトファイルを入力とし、それらを1つの実行ファイルにまとめ上げます。

スタティックリンクの利点

スタティックリンクの最大の利点は、プログラムの実行速度の向上です。実行時に必要なファイルを事前に組み込んでおくことで、プログラムの起動に必要な時間が短縮されます。また、プログラムが依存しているライブラリのバージョン管理に関する問題を回避することができます。

また、スタティックリンクにより、プログラムを他のシステムに配布する場合、他のシステムに特定のライブラリがインストールされているかどうかの心配をする必要がありません。実行ファイルに必要なすべてのライブラリが含まれているため、他のシステムでも正しく実行されます。

スタティックリンクの欠点

スタティックリンクには、いくつかの欠点があります。まず、スタティックリンクを使用する場合、実行ファイルのサイズが大きくなるという問題があります。必要なすべてのファイルを組み込んでいるため、実行ファイルのサイズが増大し、ダウンロードや配布の際に時間がかかる可能性があります。

また、スタティックリンクを使用すると、プログラムの機能を拡張するために必要なライブラリの更新を行うことができません。必要なライブラリが実行ファイルに含まれているため、ライブラリのバージョンをアップグレードするためには、プログラムの再コンパイルが必要です。

まとめ

スタティックリンクは、コンピュータプログラムの実行速度を向上させるため、また、他のシステムにプログラムを配布する際の依存関係の問題を回避するために使用されます。しかし、実行ファイルのサイズが大きくなるという問題や、ライブラリの更新が行えないという問題もあるため、使用する際には注意が必要です。

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