Token Ringとは?
Token Ringとは、コンピューターネットワークにおいて、コンピューター間をつなぐケーブル上でトークンと呼ばれるデータフレームを循環させ、データ転送を制御する方式の一つです。Token Ringは、IBMによって開発され、1980年代から1990年代にかけて一般的に使用されましたが、現在ではEthernetなどのより高速で安価な方式へと置き換わっています。
Token Ringの動作原理
Token Ringは、トークンと呼ばれる小さなフレームによってコンピューター間のデータ転送を制御します。トークンは、ネットワーク上で指定された順番にコンピューター間を巡回し、トークンを保持しているコンピューターだけがデータを送信することができます。トークンを受け取ったコンピューターは、送信するデータをトークンに付加してネットワーク上を送信します。次にトークンを保持するコンピューターがデータを送信できるようになるまで、他のコンピューターはデータ送信を待機します。
Token Ringの利点と欠点
Token Ringの利点は、以下のような点が挙げられます。
– ダイナミックな帯域幅:全体の通信能力をトークンの持ち回りの順番で分配するため、ネットワークの利用率を最大限に引き出せる。
– 安定したトラフィック:コンピューター間の通信が均等に保たれるため、トラフィックが安定している。
– ノード間の双方向通信:トークンにデータを付加して送信できるため、双方向通信が可能。
一方で、欠点としては以下が挙げられます。
– 相対的に高価:設備や機器が高価であるため、導入コストが高い。
– 失敗時の復元が難しい:トークンの循環が途切れると、ネットワーク全体がダウンしてしまう。
まとめ
Token Ringは、IBMが開発したコンピューターネットワークのデータ転送方式で、トークンと呼ばれる小さなフレームによってデータ転送を制御します。ダイナミックな帯域幅や安定したトラフィック、ノード間の双方向通信が可能という利点がありますが、導入コストが高価だったり、トークンの循環が途切れるとネットワーク全体がダウンしてしまうという欠点もあります。現在では、より高速で安価なEthernetなどの方式に置き換わっています。
参考記事
合わせて読みたい
【Google Chrome】右クリックで翻訳がでなくなった時の対策方法の決定版