「参照渡し」とは? – プログラムにおいて、変数の値ではなく、そのアドレス(ポインタ)を渡すことによって、メモリの節約や効率化を図る手法のことについて解説

Explanation of IT Terms

「参照渡し」とは?

プログラミングにおいて、変数を値で渡す方法として「値渡し」と「参照渡し」があります。値渡しは変数の値を直接コピーして引数として渡す方法であり、参照渡しは変数のアドレスを引数として渡す方法です。

「参照渡し」は、変数の値ではなく、そのアドレス(ポインタ)を渡すことによって、メモリの節約や効率化を図る手法です。変数のアドレスを渡すことによって、関数内での変数の値を変更することができます。

たとえば、以下のように関数を定義するとします。

“`
void increment(int* num) {
*num = *num + 1;
}
“`

この関数は、引数として渡されるポインタの指す先の値を1増やすことができます。つまり、以下のように関数を呼び出すことで、変数の値を変更することができます。

“`
int num = 0;
increment(&num);
“`

このように「参照渡し」を使うことによって、値をコピーする必要がなく、関数の処理速度が速くなると同時に、メモリの使用量も抑えることができます。また、ポインタを使ってオブジェクトを操作することによって、オブジェクトの状態を変更することができるため、プログラムの柔軟性も向上します。

しかし、「参照渡し」を使う際は、ポインタの扱いには十分に注意する必要があります。ポインタの指す先が正しく設定されていない場合や、ポインタが無効なアドレスを指してしまう場合には、プログラムがクラッシュするなどの致命的な問題が発生します。

「参照渡し」の利点と欠点

参照渡しを使うことによる利点としては、以下のようなものが挙げられます。

– メモリ使用量が抑えられるため、プログラムの動作が高速化する
– 値をコピーする必要がないため、プログラムの実行速度が向上する
– 関数の引数が多数ある場合でも、値を代入して渡す必要がないため、呼び出し側のコードが簡略化される
– オブジェクトの状態を変更することができるため、プログラムの柔軟性が向上する

一方で、「参照渡し」を使うことによる欠点としては、以下のようなものが挙げられます。

– ポインタの扱いには十分に注意する必要があるため、プログラムのバグやクラッシュの原因となる可能性がある
– 値を直接変更するため、意図しない変更が行われる可能性がある
– 関数の外部に影響を与えるため、プログラムの流れが複雑になる
– 関数内で変数の値が変更されるため、バグの原因になる可能性がある

まとめ

「参照渡し」は、変数のアドレスを渡すことによって、メモリの節約や効率化を図るプログラミングの手法です。ポインタを使ってオブジェクトを操作することによって、プログラムの柔軟性が向上し、関数の処理速度が向上すると同時に、メモリの使用量も抑えることができます。しかしながら、ポインタの扱いには十分に注意が必要であり、誤った使い方によってプログラムのバグやクラッシュにつながる可能性があるため、慎重に扱う必要があります。

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